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青い空

実は知らない自分のこと

私の経験した失敗談と、そこからもらった気づきをご紹介しましょう。

 

​私は、私立大学の専任職員として25年勤務しました。私の勤めた大学では、総務や財務などの管理系セクションと、授業運営や学生生活支援の教育系セクションの2つの体系に大きく分かれていて、私の場合は、就職や成績などの学生支援セクションで多くキャリアを積みました。ですから、相談は日常業務の一部として常にありました。

 

​大学ですから当然ですが、在籍している学生の人が誰かは変わっても、人の年齢は変わりません。毎年、4年生は卒業し、新たに新1年生が入学してきますから、常に18歳から22歳くらいの人が大多数な訳です。当たり前ですが、私自身はどんどん歳をとり、学生の人との年齢差は大きくなっていきます。

「こりゃ気を付けてないと、相談の範疇でアドバイスしても、場合によっちゃ、説教ととられちまう危なさがあるよなぁ」という思いが、常に自分の中にありました。当たり前ですが、歳を重ね、社会人経験も重ねていく自分にとっての当然のことと、学生の人たちにとっての当然のことは、年々ズレが大きくなっていくわけです。

 

そんな中で、仕事のスキルアップへの考えと、プライベートの問題が重なった時期があり、思いがけないご縁もあって心理学を学び始めました。その後、心理学の基礎から始まり、実践的なカウンセリングを学びました。

定年退職までの道のりがある程度見え始めたころ、思い切って退職し、心理カウンセラーとして独立しました。大学での仕事で、相談は日常茶飯事でしたし、心理カウンセリングについても色々な先生に教えをいただいたこともあり、ある程度の自信がありました。

 

ところが、心理カウンセラーの仕事は、全く思うようにはいきませんでした。

 

正直、相当焦りました。売り上げは全くないのに、貯金だけはどんどん目減りしていきます。精神的にも経済的にもゆとりがなくなって、ギスギスした心持ちになると、他のところにも影響が出て来ます。当然、毎日が楽しくありません。

 

​余談ですが、「こんなことになるなら、サラリーマンを辞めなきゃ良かったか?」という問いが、自分の中に何度も浮かびました。ですが、これだけは何度出てきても、「それも1つの方法ではあったよな」とは思っても、「辞めなきゃよかった」というような後悔の答えは一度も出ませんでした。まぁ、自分なりに腹くくって、「次に行くぞ」って納得して決めたことが再確認できたことは収穫でした。ただ、収入的には改善していないので、アルバイト仕事をする羽目にはなりましたが(笑)

 

​さて、なぜうまく行かなかったのでしょう。

 

振り返ってみると、考えられる理由は大きく2つありました。

1つは、宣伝が下手くそで、自分の存在を上手く伝えられていなかった事です。

そしてもう1つが、私の致命的な見落としでした。相談が身近なものであった私には、ある程度慣れたものだったがために、大きな見落としがあったのです。

 

​それは、私が“元々がしゃべりたがりな性格”だということでした。

 

​ご存知の方もいらっしゃると思いますが、心理カウンセリングは“傾聴”と言う言葉に代表されるように、とにかくクライアントさんの話をひたすら聞くことが中心になります。カウンセラー側は、せいぜいお話しいただくための導入や相づちと、内容確認のための繰り返し程度しか話さないことが多いのです。

仮にクライアントさんの話が、「流石にそれじゃあ、世の中で通用しませんぜぇ」と一瞬感じるかもしれないような内容であったとしても、まずはクライアントさんのお話を聞いて、その上で全肯定します。ちゃんと聴くと解るのですが、別にそのクライアントさんが非常識で言っておられるのではなく、その方なりの理由があるのです。そこに自分の意見を挟むことや、ジャッジメント(判断)を入れることは大きな間違いですし、ましてや否定などあり得ません。だって、しんどくなってお金と時間を使って相談に行ったのに、色々言われて、帰る時にもっとしんどくなってたらシャレにならんでしょ?

勿論、クライアントさんにはご自身の思いを吐き出していただく必要があるので、会話形式ではあるのですが、喋りたがりの私は、「あの一言は余計だったな」なんて後で思うことがありました。そりゃ勿論、出来る限り抑えましたけどね。それから、なぜしゃべりたくなってしまうのかというような私自身の問題の原因も、一応解っておりますので、そこは今回スルーしといてくださいな(笑) ただ、そこは心理カウンセリングのテクニックとしてやってる部分がありますから、勘の良いクライアントさんは、割と早い段階で気が付きます。

 

​つまり当時の私は、性格的に心理カウンセラーにはあまり向いていなかったのです。

 

​なぜこんな初歩的な見落としがあったのでしょう。

それは、私が相談ということに慣れていたがために、知識やテクニックに重点を置き過ぎて、自分の性格の把握に見落としがあったからです。

それに気づいてから、私は同じ心理学や心理カウンセリングの知識が応用でき、カウンセリングよりも、もう少し踏み込んだ形でクライアントさんに関われるコーチングへ主軸をシフトしました。

 

​今思えば、そのくらいのことにも気が付けていなかったんだなぁと呆れるような話ですが、当時はなぜうまくいかないのか全然分かりませんでした。

まぁ、そのことに気づけたことで、私自身も負担に思っていたことが楽になって、カウンセリングも以前より上手くできるようになってしまったので面白いものなのですが。

 

意外と、自分のことを自分は知らないものなのです。

 

やったつもりだったのに、改めて見直してみると、見落としや以前とは変わったことが出る出る。

​「自分のことをもっと知ると、もっと楽に生きられるのですよ。」という私の経験談からのご提案です。

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ヘディングネクスト代表
代表 安藤彰記

ヘディングネクスト

岐阜県羽島市

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